カナダUBC滯在記 その2 研究編

摘要

UBCにおける共同研究を進めるにあたり,いくつかのシンポジウム等へ出席し,木質構造に開する最新の研究動向について情報収集したので紹介する。2014年1月23日にバンクーバー·コンベンションセンターで開かれた。このシンポジウムは年1回開催されていて,今回で4回目である。比較的レベルの高い建築家,構造エンジニア,設計·施工技術者などを対象として,1日で包括的な情報を提供して啓蒙するシンポジウムである。具体的には6人の演者から講演があった。1人目はイタリアのLegnopiu社のCEOであるPaolo Lavisci博士から「イタリァの木質構造の現状と展望」が紹介され,以前のイタリアは木造技術に抵抗があったが,現在は設計者,材料製造者,建築業者は互いに協力しながら,新しい革新的な木造建築の適用方法を模索している最中である。それは,消費者のニーズに焦点をあて,外国の材料製造メーカとも協力し,コンクリート製造者と敵対しないようにし,キーパーソンとなる専門家の育成を行うことで実現される。2人目はドィッHochschule RheinMain大学のLeander A.Bathon教授から,これからの木質構造は時間とコスト,性能が予測され,それらを包括した解が見いだされなければならず,そのための技術的な知見を有するべきで,時間とコスト,性能を包含したアプローチこそが鉄骨造やコンクリートとの競争を助け,環境面はおまけであると説明された。まさに我が意を得たりである。