ポリマーセメント系塗膜防水材の改修工事における留意点

摘要

ポリマーセメント系塗膜防水材は，現在，改修工事において建築物の各部位に使用されている。セメント防水の一種であるポリマーセメント系塗膜防水は，土木工事のコンクリート構造物においての実績は多いが，建築工事では比較的なじみの薄い工法であった。しかし，ようやく2006年11月になって，(一社)日本建築学会が『ポリマーセメント系塗膜防水工事施工指針(案)·同解説』(以下，指針(案))を刊行するに至り，今まで防水性能があまり重視されていなかった部位についてもポリマーセメント系塗膜防水を施すことで，建築物全体の防水性能が向上することとなり，建築物の長寿命化に寄与するようになった。