既存防水層別でみるポリマーセメント系塗膜防水の施工上の留意点

摘要

はじめに，ポリマーセメント系塗膜防水の概要について少し触れておく。ポリマーセメント系塗膜防水は，水性のポリマー混和液とセメント系の粉体とを混合硬化させて得られる塗膜防水工法である。材料特性としては高い安全性と低環境負荷であり，環境対応型防水材として最たる部類に入る材料工法である。さて，ポリマーとセメントを混合する手法は古くから存在しており，現在でも水密性向上を目的としたモルタル防水材や，付着性向上を目的とした下地調整材などに見られる。つまりは，ポリマーとセメントの混合によって水密性，付着性の向上が得られる特徴を利用したものである。