安全第一: 記事のおわりに

摘要

◆2年振りに前期技能検定が開催されています。今回から，アクリルゴム系塗膜防水における実技試験の架台が変更となりました。特徴的なのは，これまでの斜壁が垂直の高い壁になったことです。アクリルゴム系塗膜防水は，国土交通省『公共建築改修工事標準仕様書』平成31年版に初めて外壁防水として組み込まれたので，より現実的な実技試験になったと言えそうです。実技試験の架台は，それぞれの防水工事作業の能力を適切に評価するために作られています。なかでも，セメント系防水の架台は知恵の結晶と感心します。唯一，止水作業が含まれていることから，人の背丈より高い仮設足場上に設置したタンクに溜めた水を，つないだホースを経由して試験架台から湧出させます。試験中，止水作業が終了するまで流れ続ける水を，補佐員が排水溝に集めます。そうした関係者の努力で試験は成立しているのです。さて，今年は隔年開催のセメント系防水が開催されます。多数の技能士が誕生することを祈念します。