下水刬理場における電力使用量の実慴および消化ガス発電による電力自給率の向上

摘要

本調査では下水処理場におけるエネルギー消費量の実態を把握するため，全国の下水処 理場における単位処理水量当たりの電力使用量の実態調査を行なった。その結果，電力使 用量の削減には集合処理によるスケールメリットが大きく寄与しており，目標処理水質お よび発生汚泥量の削減効果と電力使用量の削減はトレードオフの関係にあることが明らか となった。また，熊本北部浄化センターを対象に，その維持管理方法および下水汚泥エネ ルギーの有効利用の実態について検証した結果，電力債用量が最も多い送風機設備におい て曝気量を適正に管理することで電力使用量が削減されていることが明らかとなった。さ らに，嫌気性消化プロセスの高効率化により，消化ガス発生量が増加し，発生消化ガスを 利用した燃料電池による消化ガス発電により電力自給率が約50%を達成し，消化ガス発電 が受電電力量の削減に大きく寄与していることが確認された。