「船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理に問する国際条約」（バラスト水管理条約）について

摘要

2004年2月，船舶のバラスト水および沈殿物の規制および管理を通じて，有害水生生物および病原体移動により発生する環境，人間の健康，財産および資源への危険性を防止，最小化し，最終的に除去すること，さらに当該規制により好ましくない副作用を回避することならびに関連知識および技術の開発について奨励することを目的として，国際海事機関（IMO）において，「船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理に関する国際条約」が採択された。条約の要求を満足するために必要となるバラスト水管理システムの船舶への搭載に係る問題，ポートステートコントロールによるバラスト水のサンプリングに係る手法が確立されていないなどの問題を抱えている。しかしながら，28カ国が本条約を締結していること，バラスト水管理システムの承認数等が増加していることから，近い将来発効要件を満たす可能性があることをみすえた対応が必要であり，本稿ではこのような状況にある本条約について紹介する。