活性汚泥生物の必要酸素量自動制御AOSDシステムを用いた高度処理技術の開発

摘要

生活•産業系に由来する排水を処理するうえで，きわめて重要な課題は，窒素'リンの高度除去はもとより，低炭素社会に貢献する省エネルギー技術の構築にある。この排水処理において，省ェネ化を図るためには，曝気量の制御を最適に行なう必要がある。従来から好気的全曝気方式では硝化は進行するが，脱窒が機能しないことから，嫌気•好気をサイクリックに運転する方式が主流となっている。これらの方式においても，嫌気•好気時間の設定は経験に頼ってきた面が多い。上記の点を踏まえて，嫌気•好気時間を微生物の酸素消費速度に応じ自動制御するAOSD(Automatic Oxygen Supply Device)システムの間欠曝気高度化技法を開発してきている。好気性曝気ブロワーは24時間運転が普通必要であるが，本システムを使用することで，溶存酸素•温度のデータを常時CPUに取り込み，硝化速度•脱窒速度等を演算するプログラム関数式を基に適正な曝気•休止時間を算出し，水質改善ならびに電力費用を大幅に削減可能なことを明かとした。