マイクロコズムを活用することで環境リスクの影響を適確に評価するためのマニュアルを発刊: 世界最大手の理工系出版社Springerから英文書籍として発信

摘要

マイクロコズム試験法の有用性を取りまとめた英文書籍を出版されております。稲森私はこれまで，マイクロコズムを用いて作用機序の異なるさまざまな化学物質でスクリーニング試験を行ない，評価可能な適用範囲を見出すと同時に，野外生態系試験とマイクロコズム試験の無影響濃度に相関関係があることを示し，現実的な自然生態系無影響濃度を予測可能な試験法を開発してきました。また，上記の点を踏まえ，単一生物種試験結果を用いて算出されるECETOC法（最も感受性の高い生物種にアセスメントファクターをかけることで，自然生態系に対する予測無影響濃度を算出），HC5法(化学物質に対する無影響濃度を用いて種の感受性分布を作成し，自然生態系の95%の生物種を保護できる濃度を算出）の値と，マイクロコズムによる自然生態系予測無影響濃度とを比較することにより，マイクロコズム試験法の有用性を示すことができています。