里山の植生変化と物質循環: 竹林拡大に関する天王山における事例

摘要

里山は非常に強度に人間の影響を受けている。そのため，履歴が複雑で研究が困難であり，これまで特に物質循環に関する研究は多いとはいえない。現在，私たちを取り巻くー番身近な自然という点から里山をもうー度見直そうと いう取り組みが民間からも行政からも数多くなされ（例えば，前述の京都府と大阪府にまたがる天王山森林整備推進協議会や，京都府長岡京市西山森林整備推進協議会など)，従来の薪炭林あるいは農用林としての里山のあり方とはまつたく異なるものが求められている。