現場測定結果と模型実験にもとづく地下鉄振動に関する考察

摘要

地下鉄シールドトンネルから伝播する列車走行時振動を対象として，東京都内および近郊の14地点において現場測定を実施し，地表部では40～80Hzにピークを持っことなど，地下鉄振動の性状を把握した．また，地盤中の減衰傾向をBornitzの計算式を用いて分析し，周波数と内部減衰定数の関係を把握した．この関係を用いることにより，トンネル内の振動加速度のスペクトルから地表部の1/3オクターブバンド分析による振動加速度レベルが予測することが可能となった．一方，地下鉄から発生する地盤振動を対象とした遠心模型実験方法を開発し，明確な地盤条件のもとで減衰傾向を検討した．また，模型実験より得られた周波数と内部減衰定数の関係が現場測定の結果とおおむね対応が取れていることを確認した．