既設下水道管の20cm直下をミニシールドエ法により施工: 名古屋巿下水道油屋幹線

摘要

名古屋巿では，2000(平成12)年9月に東海地方を襲った東海豪雨や2008(平成20)年8月末に発生した豪雨で著しい浸水被害を受けた地域や都市機能が集中している地域を対象に緊急雨水整備事業として，浸水対策事業を進めている.今回，港区の宝神地域において能力増強のためのバイパス管となる油屋幹線（内径1,500mm）を布設するにあたり，既設下水道管との近接施工(20cm)，急曲線施工(20Rおよび25R)などの条件から，ミニシールドエ法を採用した.また，本工事では，施工上における工夫として，ジャイロコンパスによる掘進位置管理，大型車や路線バスの通行を考慮した交通対策などを実施している.さらに，CIMデータを活用して，近接する他企業施設などの位置確認，施工管理•出来形管理•品質管理などの施工データのー括管理も実施している.本稿では，こうした設計における工法選定やルート選定の経緯，施工上の工夫点などについて報告する.