「駅まち空間」の再構築に向けた取組みについて

摘要

「駅まち空間」とは，まちの中心となる駅や駅前広場と一体的に，周辺市街地との関係を踏まえ，必要な機能の配置を検討することが期待される空間である。多様な人々が集まる「駅まち空間」においては，交通結節点として個別の施設や機能だけを捉えるのではなく,より広範に周辺市街地も含め,地方公共団体,交通事業者，開発事業者等の多様な関係者が，まちの課題やビジョン等を共有し，相互に協議·調整を行いながら，交通結節機能を総合的に検討していくことが求められる。国土交通省都市局街路交通施設課では，この「駅まち空間」について，課題やニーズの把握，機能·配置の検討，合意形成，役割分担，維持管理に至るまで，地方公共団体，交通事業者，開発事業者等の多様な関係者が連携して取組みを進めていくための検討を行っている。具体的には，「空間の共有」と「機能の連携」に着目した「駅まち再構築事例集」の作成や，「駅まちデザイン検討会」において,駅まち空間を再構築する際に留意すべき事項や関係者の役割分担等について議論を行っており，本稿では，その内容について紹介する。