危険挙動の動画解析におけるAIの適用性検討

摘要

交通事故対策の効果評価には人身事故データが用いられることが多いが，評価にあたつての分析には一定期間が必要となるため，早期の効果評価には向いていない。また，近年はETC2.0プローブデータ等のビッグデータ分析も進hできたが，データ特性のために分折手法が限られる場合が多い。そこで自動車等の走行状況のビデオ動画からの画像解析による危険挙動計測が着目されているが，目視計測が中心のため，膨大な作業時間が課題となっていた。この課題解決に向けて，AIを組み込hだ画像解析による挙動計測の自動化を試みた。具体的には，撮影動画から走行車両の交差点流入部の進入速度を自動計測し，目視結果と比較検証した。AIでも目視と大差がない結果であったことから，有効な手法であることを示せた。一方で，車両の検出が低くなるなどの課題も多く，得た教訓から動画による危険挙動計測へのAI適用について今後の展望も含めて考察した結果を報告する。