首都高速道路における環境ロードプライシングについて

摘要

首都高速道路株式会社(以下，首都高)の環境ロードプライシング割引は,沿道に住居地域が多い高速神奈川1号横羽線(以下，横羽線)から高速湾岸線(以下,湾岸線)へ大型車·特大車の転換を図るため,湾岸線を利用するETCを搭載した当該車両に対して割引を行う料金施策であり，それにより浮遊粒子状物質(SPM)や二酸化窒素(NO～2)等の排出量の削減といった横羽線沿道の環境向上を図るものである。2001(平成13)年の試行導入以降，首都高では約20年にわたり割引を継続するとともに，環境ロードプライシングの周知および利用促進のため,さまざまな広報を実施してきた。その結果,湾岸線の分担率の向上など,周辺地域の交通流に変化が生じている。本稿では,環境ロードプライシングの内容や広報およびその効果について紹介する。