スウェーデンで体感するキャッシュレス社会: 日本のキヤッシュレス化は進むのか？

摘要

2019年11月，筆者はスウェーデン中部の都市エステルスンドに3日間滞在した。当地は県都だが人口約5万人の小都市であり，クレジットカードが使えない箇所も多いだろうと考え，現金500SEK(スウェーデン·クローナ)を用意した。現地では路線バスに乗り，食事をし，ケーキを食べ，キオスクでコーヒー，スーパーマーケットで食品，個人店舗で小物，薬局で日用品をそれぞれ購入し，市中のトイレにも入った。結果，3日間の滞在を終えてドイツに戻るまで，500SEK紙幣の出番はなかった。むしろ，バスやトイレ，小売店等，現金を受け付けない箇所が少なくないことに驚かされた。たとえば，バスには運賃箱がなくカードリーダーだけが設置されており(写真1)バスターミナルのトイレもカード決済でしか使用できないちのであった(写真2)。