東京駅丸の内駅舎におけるヨーロッパ建築様式の影響と観光対象化

摘要

本稿では，東京駅丸の内駅舎を設計した辰野金吾(1854-1919)の建築思想を辿りながら，その美術的な価値の源泉を明らかにしていく。辰野は工部大学校(現在の東京大学工学部)を卒業後,イギリス留学を経て西洋建築に通じた建築家となっていった。1903年に辰野は東京駅丸の内駅舎の設計を開始したが，そこには若き日に学hだ建築様式の思想が'反映されている。