公開性の表現形式と観光ガイドブックにおける表象範囲の関係にみる建築の都市的位置付け観光対象化された現代建築の都市的位置付け　その2

摘要

本研究は、日本において多く出版されている海外旅行向けガイドブックの中で最も網羅的に情報が掲載されている『地球の歩き方』のうち、分析対象として十分な記述内容である27 資料から、建築自体の物理的性質が窺える記述とともに掲載された2000 年以降竣工の建築物80事例を研究対象とし（表1）、観光対象化された現代建築の都市的位置付けを考察したものである。その２では、ある都市における建築の位置付けが提示されているメディアである観光ガイドブックにおける説明内容から観光対象の表象範囲を明らかにし、その１において検討した建築の実体における都市に対する公開性とその外観への表現形式を重ね合わせることで、現代建築の観光対象化という現象を理解し、その都市的位置付けを考察する。