特集「ゼロエミッションをめざす低炭素燃料の燃焼と利用技術」の発刊にあたって

摘要

気候変動抑制を目的とした地球温暖化対策は全世界で取り組むべき重要課題です。また.2015年9月.ニューョークの国連本部で開催された国連持続可能な開発サミットにおいて採択された17の持続可能な開発目標（SDGs)でも.その多くがエネルギー•環境に関連しています。日本近海の海面水温は上昇傾向にあり，最近，日本でも，気候変動に起因すると思われる記録的な豪雨や強い勢力の台風来襲による，広範囲の浸水や土砂崩れなどの災害が相次いで発生しています。犠牲となられた皆さまのご冥福を祈るとともに，被災された皆さまに心よりお見舞い申し上げます。このように，地球温暖化対策は，われわれにとっても喫緊の課題であり，それを踏まえた温室効果ガス削減の目標として，2050年50%, 2100年ゼロエミッションをめざした水素，バイオマス，アンモニア，非在来型化石燃料等の低炭素燃料技術の進展が望まれています。また，それは将来の低炭素社会の実現に向けた観点からも期待されています。そのような背景から，今回は「ゼロエミッションをめざす低炭素燃料の燃焼と利用技術」についての特集号を企画しました。