トルエン分解菌Pseudomonas putidaによるトルエンガス除去特性と除去過程における炭素収支

摘要

筆者らはこれまで、VOC排出削減技術の1つとして生物脱臭装置の開発を進めており、その一部として装置内の微生物相の観察を行ってきた。充填塔型の生物脱臭装置では、微生物によるVOC分解活性と高い通気性の両立が必要であるため、低い菌体収率でVOCを分解する菌種が有効である。本研究では、主要VOC成分であるトルエンを分解する代表的な菌株として筆者らが単離したPseudomonas putida NB-K4株を用いて、既報に引き続き、トルエンガスを唯一の有機源として培養した際の炭素収支と、増殖の各段階におけるトルエンガス除去特性を詳細に観察した。