繊維における芳香成分残存性の熱脱離-GC/MSによる評価

摘要

洗濯後の試験布への芳香成分の残存量を熱脱離-GC/MS法で分析した。官能試験で感覚的に得られていた繊維の残香性を機器分析により成分ごとに高感度で定量することができるようになった。今回はLilial,Limoneneについての残香性経時変化や湿度による揮発量変化を示したが、芳香成分の化学構造、分子量、極性などの違いにより繊維への付着や残存性が異なると考えられる。複数種の代表的な芳香成分を指標に加えることによって、本法が機能性繊維の残香性の評価法としてさらに有用なものとなる。