におい識別装置の開発

摘要

におい識別装置は、electronic noseと呼ばれ、ヨーロッパを中心に、1980年代の初めごろから研究開発されてきた。島津製作所でもこのころから研究を開始し、1999年に「FF-1」を発売した。「FF-1」は、当時のelectronic noseの基本思想であるケモメトリクスを反映し、複数のセンサを多変量解析で解析していた。しかし、その測定結果が従来の分析機器の概念である確実なことを積み上げるものではなく、全体として可能性の高いものを示すものであったことから不審感を払拭するためにGCMSとの相関を求められ、対象成分数を減らしてGCMSとの相関を示した。しかし、相関を示しても当然と受け止められるだけで、逆にGCMSと同じ情報であればFFは不要ではとの意見も出てきた。