牛ふんに対する臭気抑制方法の検討（その2): 牛ふんの水分調整について

摘要

愛知県半田巿は、名古屋市からの距離が約20 kmと近く交通の便も良いことから、知多半島の政治、経済、文化の中心として商工業も発展し、また、畜産業も盛んな巿である。近年は、都市化によって農地と住宅地が近接した状況にある。このため半田市で問題となっている悪臭は、水分の多い牛の糞尿を自然乾燥させる一次処理過程で発生する臭気が一つの要因となっている。既往の研究で、乳牛の糞尿は肉牛の粪尿と比べ水分が多いため、嫌気性発酵になりやすく臭気抑制材を使用しても不快なにおいが強いということと、固液分離操作をおこなつた固分だけでもにおいが弱くなることが分かった。そこで本研究では、固液分離操作を行った固分について臭気抑制材を用いた実験を行った。また、一次処理施設で用いられている扇風機に着目し、効率的に糞尿乾燥を行うための扇風機からの風向きの検討も行った。