連続繊維補強材によるコンクリート構造物の補修•補強 入門 ③連続繊維補修補強工法の適用分野と留意点

摘要

本講座「連続繊維補強材によるコンクリート構造物の補修•補強 入門」はこれまで2回掲載されてきましたが，今回は最終回として「連続繊維補修補強工法の適用分野と留意点」について紹介したいと思います。第1回講座でも触れましたように，連続繊維補強材にはロッド状（棒状）のものとシート状のものがあります。開発の歴史はロッド状連続繊維補強材の方が古く1983年頃に端を発します。シート状連続繊維補強材に関する研究も1980年代にはすでに一部始まっていましたが，やはり本格的な研究開発が進んだのは1995年の阪神淡路大震災以後のことになります。シート状連続繊維補強材については，第1回の講座で設計について，第2回の講座で材料•施工について詳細な説明がありました。今回は，シート状•ロッド状双方について，適用事例•部位の紹介および適用上の留意点について述べたいと思います。