連続繊維補強材によるコンクリート構造物の補修•補強 入門: ②連続繊維補修補強工法の材料と施工•品質管理

摘要

既存コンクリート造の土木構造物および建築物に連続繊維シートを貼り付ける耐震補強工法は,1995年の兵庫県南部地震以降,広く使われるようになりました。第1回講座では,この連続繊維シートによる耐震補強工法(連続繊維補強工法)の実用化の経緯,補強方法の概要などについて紹介しましたが,今回は,本工法における使用材料,施工方法および実施工に併せて実施が必要となる品質管理試験について紹介します。連続繊維補強工法は,既存コンクリート構造物の表面に連続繊維シートを「現場」で,「直接」貼り付け,補強効果を発揮させる工法です。したがって,従来の建設工事ではあまりなじみのない連続繊維シートや樹脂等の使用材料に関する知識や取扱い方法,特有の施工手順•施工方法とその施工管理•品質管理技術が大変重要な工法です。