木質材料(CLT，LVL)を耐震壁として用いたRC造建築物の耐震改修工法

摘要

1995年の阪神•淡路大震災以降，建物の耐震補強の重要性が再認識され，1981年の建築基準法改正前のいわゆる既存不適格建物に対して耐震化が進められた。平成26年文部科学白書によれば，公立小•中学校の平成27年4月1日現在で耐震化率は95.6%と着実な進展が確認されるが,併せて耐震性が確保されていない小•中学校の施設は5212棟残されていることも報告されている。耐震化の進んでいない私立学校があることも鑑みると，未だ学校の耐震補強は課題として残されていると言える。加えて，平成25年の耐震改修促進法の改定では，病院，店舗，旅館等の不特定多数の方が利用する建築物を主な対象として耐震診断および報告が義務づけられたことから，今後新たに耐震補強の必要な建物が明らかになってくると予想される。