NATMとシールドトンネルの設計と実際: 7. NATMとシールドトンネルの設計思想の統一化

摘要

これまで，6回の連載で，山岳トンネルとシールドトンネルについて，両者の施工方法の相違やそれから生じる課題を踏まえつつ，手法の紹介と解説を進めてきた。それぞれの設計法は，外見的には，山岳トンネルは，シールドトンネルよりも経験的要素が大きく，現段階では，シールドトンネルのほうが設計に合理性，論理性を持たせるために最新の解析手法を取り入れてきているという点で，システマチックで理論的に出来上がった方法のように見えるかもしれない。しかし，一方では，シールドトンネルの設計は，割り切りが大胆で，断定的なようにも見える。今回は，現在実施されている両トンネルの設計法がどのような経緯を経て発生してきたものかという点を振り返りながら，同じ考え方で設計するという視点での設計の統一化の必要性とその方向について述べようと思う。