平成26年度「水環境文化賞」を受賞して

摘要

この度は，名誉ある「水環境文化賞」を受賞できましたことに感激しております。私たちのこれまでのあゆみと今後の取り組みについて紹介させていただきます。びわ湖はわが国最大の湖で，誕生したのは400万年前といわれる世界でも数少ない古代湖の一つであり，1,000種を超える豊かな動植物と60種類余りの固有種を擁する世界的にも貴重な湖である。また，びわ湖は滋賀県のみならず京阪神を含む約1,400万人に水を供給する重要な淡水資源であり，下流淀川の洪水防止や水産資源，観光，レクリエーション等の場としても大きな役割を果たしている。しかし，その一方で，高度経済成長期と1972年より始まったびわ湖総合開発などの影響により，びわ湖を取巻く自然環境や人とびわ湖の関わりは大きく変貌してきた。上下水道の整備や湖岸堤の建設，水田における用排水の分離などにより，人々は便利で快適な生活を送れるようになった反面，ョシ帯や内湖など魚介類の産卵•繁殖の場が失われ，漁獲量は激減し，今日では生活の中でびわ湖の恩恵を感じることが少なくなっている。