外来甲殻類が及ぼす水域の生態系サービスへの影響

摘要

埼玉県は利根川•荒川の二大水系からなる内水面県で，県土に占める河川面積が3.9%で日本一である。湖沼などを含めると5%の水面積となり，全国4位の水に恵まれた県である。埼玉県には豊かな自然環境が残り，なかでも，河川湖沼，湿地や農業水利施設等の水辺および水環境中には，地域特有の水生生物の個体群が生存していた。しかし，近年，水質汚濁や乱開発.都市化等により良好な自然環境が失われつつあることから，分布していると考えられている生物のうち，希少種，絶滅危惧種として指定されるものが増加している。