総説•水環境学の進歩-研究委員会編(7)の発刊にあたって

摘要

(公社)日本水環境学会には，水環境に関連した特定分野の研究レベルの向上，萌芽的課題や社会的要請の強い課題にとり組むことを目的として，研究委員会が設置されており.本会会員であれば申し込みにより参加可能となっています。興味や関心を同じにする会員が集い，研究活動や成果発表，講演会や見学会等の活動を通じて，研究の進展やよりよい社会の実現へ貢献することを目指しています。例えば，「生物膜法」，「MS技術」，「嫌気性微生物処理」および「身近な生活環境」の各研究委員会は，研究委員会制度が現行へ見直された1995年度よりもかなり以前の「昭和」の時代から平成を経て令和となつた現在まで長きにわたり精力的に活動を継続している老舗といえます。一方で，最近の5，6年に目を向けるとほぼ毎年のように新たな研究委員会が産声をあげ，「電気化学的技術」（2013年度），「熱帯•亜熱帯地域の水環境」(2014年度），「農産業に関わる水•バイオマス循環技術」(2015年度），「将来の水環境変化に対応した水供給システム」（2017年度），「汽水域」（2018年度）および「地域水環境行政」（2019年度）が設置されており，水環境関連分野の深遠さや広さがうかがえます。2019年10月末時点で，19の研究委員会が活発に活動を行っており，これらの研究委員会への登録者数は延べ1000人に達し，複数の研究委員会へ参加されている方も少なくありません。最新の研究委員会設置状況は，学会ウェブサイトの研究委員会ぺーシ（http://www.jswe.or.jp/aboutus/research/index.html)に掲載されていますので，各自の研究テーマや関心に合致した研究委員会へのご参加をぜひとも検討いただくとともに，目的を同じくする同志を集めて新たな研究委員会の設立も大歓迎です。