JICAにおける上下水道分野の開発途上国支援の取り組み

摘要

世界の水供給の状況に関するモニタリングを行っている世界保健機構（WHO)と国連児童基金（UNICEF)によると，2015年時点で基本的な給水サービスにアクセスできない人々が8.44億人残されており，これは全人口73.8億人の11.4%に相当する。その結果，年間52.5万人もの5歳未満の乳幼児が，下痢症で死亡していると推定されている。川，池，井戸，公共水栓等と家の間を毎日往復して水汲みを行っている人も多く，その多くは女性や子どもである。また，水売り人からの水の購入や水因性疾病の治療のために多額の出費を強いられている家庭もあり，水供給の問題は公衆衛生や健康だけでなく，ジェンダー，教育，母子保健，貧困削減など多くの開発課題に開連している。