主要ガス各社の動向と戰略2013 販売数量は増加 価格下落が収益圧迫 NF_3は液晶向け好調 環境対応商材は伸び悩み

摘要

半導体材料などを含む情報・電子化学品の12年度売上高は、最先端の半導体メモリーに使われる高誘電材料を中心に販売数量が好調に推移し、液晶向けちスマートフォンやタブレット向けの販売が拡大した。しかし競争の激化による大幅な価格の下落により、前年比で増収減益となった。収益の柱である半導体メモリー向け高誘電材料(Hi gh-k材料)は、誘電率や熱安定性などの新しい材料ニーズに対応した製品開発に注力。価格下落に対しては、原材料調達コストの低減などで収益性改善にも取り組んでいる。高純度ガス(エッチングガス)の主力は塩素で、液晶パネルおよび太陽電池向け(結晶シリコン太陽電池向けドライテクスチャー)に供給しており、アジアでのシェアが3割強、国内シェアは5割を誇る。塩素は、11年度の販売が震災や巿況低迷の影響もあって大きく落ち込み低調だったが、12年度は中国・韓国・台湾における需要回復などで販売量を増やした。13年度も堅調な需要を想定している。主力の鹿島工場では、塩素(生産能力1000t)の他にも高誘電材料や、シリコン酸化膜材料のTEOS(生産能力400t)を生産している。TEOSは大半が国内向け(シェア30%強)で、12年度も堅調に推移した。また、高誘電材料は韓国の子会社(ADEK A KOREA CORP)でも生産しており、12年度には設備の増強を行った。なお、13年4月には韓国のR&Dセンターを拡充し、最先端の半導体評価設備を導入したほか、人員も増強するなど、研究開発の迅速化を図っている。