TPPはアジア太平洋地域の自由貿易圏を目指す一里塚: 未来図をどう描くか鳥瞰的視野で

摘要

2006年に締結されたEPA（経済連携協定）のP4（パシフィックフォーシンガポール・チリ・ブルネイ・ニュージーランド）が発端となり、2008年米国が参加を表明すると、TPP（環太平洋経済連携協定）への注目度は急激に高まってきた。2010年3月には、米国、オーストラリア、ペルー、ベトナムがP4に対し参加交渉を開始、10月にはマレーシアが加わり交渉が進められている。日本では、2011年11月のアジア太平洋協力会議（APEC）首脳会議での野田首相の交渉参加表明により、TPP是非論が高まっている。反対論として、関税撤廃による国内農業の崩壊や食の安全の脅威、国民皆保険の崩壊を不安視する声が高いが、日本にとってTPPのメリット・デメリットは何なのか。今回は、各界の有識者にお集まりいただき、TPP交渉参加の意義やTPPが最終的に何を目指すのか、忌憚のないご意見をお聞かせいただいた。