2015年3月期海運会社の決算をひも解く: 円安•バンカー安の今だからこそすべきことは何か

摘要

2015年3月期の決算がまとまった。一部企業を除き、決算の内容はおおむね良かったと言えよう。全体的に言えるのは円安とバンカー安が追い風になった点。そして、コスト削減などの合理化策やこれまでに行った不採算船の整理などがここに来て一定の結果となって表れている模様だ。しかし、コンテナ船にしてもバルク船にしても船腹過剰という基調は変わっていない。円安やバンカー安という外的要因がどう変化するのか不透明な中で2016年3月期の予想を見ると、かなり控え目、あるいは手堅く見積もっている企業が多いことに気づく。この現状をどう捉えるベきだろうか。