原発事故放出ヨウ素131地表面沈着量をマップ化

摘要

日本原子力研究開発機構と米エネルギー省(DOE)は、新たな航空機モニタリングの解析手法を開発し、福島第一原発事故後初期におけるヨウ素131(半減期8日)の地表面沈着量を初めてマップ化することに成功した。福島第一原発の北西方向にはセシウム同様に高い濃度のヨウ素131の沈着が認められたが、南側10キメーロトルにも高濃度のヨウ素131が広がっていたことが明らかになった。米保健物理学会誌Health Physicsオンライン版に26日掲載された。福島第一原発事故では、放射性物質が広い範囲に拡散した。DOEは平成23年3月17日から4月5日まで航空機モニタリングを実施。その後、文部科学省や原子力機構でも航空機モニタリングを実施してきた。航空機モニタリングでは、大型NaI「ンンチレーション検出器に入射した放射線の全計数率から評価するGC法が使われるため、航空機の高度による放射線の弱まり具合を用いて、地上1メートル付近での空間線量率を逆算し、その値に地上での放射性セシウムの測定結果から逆算した換算計数をかけることで、放射性セシウムの沈着量を求める。このため、地上での計測結果がなければ、個々の核種を同定できず、また地上でのヨウ素やセシウムの割合が場所によって異なる場合は、核種別の沈着量の評価が難しかった。