急速充電可能な電池推進船 東京海洋大が開発 排ガスなしで静か/緊急時はディーゼル航行 東京五輪で実用期待

摘要

東京海洋大学は、低騒音で排ガスを出さない水上バスクラスのハイブリッド船「らいちょうN」と、関連するシステムを開発した。6年後の東京五輪で新しい水上交通システムへの採用を目指す。同大では、2010年から、電気自動車と同じ急速充電方式(CHAdeMO)を採用した電池推進船を開発。これまで、航続距離が6ノットだと55キロメートル航行できる「らいちょうI」(全長10メートル)、ウォータージェット推進器を搭載した「らいちょうS」(全長8メートル)を建造し、実海域での試験を重ねてきた。今回、駆動部をハイブリッド化したことにより航続距離を伸ばすと共に、現業の水上バスとほぼ同じサイズの船体を建造、自動操縦や遠隔操作(監視)を可能にするシステムを搭載するなど、より実現性の高いものになっている。らいちょうNは、全長14メートルで、客船登録していないことから現状では定員は12人だが、客船に艤装すると定員は40～50人になる見込みだ。なお、同クラスの水上バス「カワセミ」は全長16.5メートルで定員65人。航続距離は6ノット約100キロメートル。例えば、東京の竹芝～浅草(9キロメートル)間は、1回の充電(充電時間1時間程度)で5往復の運航が可能だ。