森脇和郎氏 最後の監修 生物の温かみに思い馳せて

摘要

本書の監修を行われた森脇和郎先生が昨年11月23日ご逝去された。享年83歳であった。先生は日本のバイオリソースの収集と活用の必要性を早くから訴えられた方で、この分野におけるパイオニア的な存在であった。本書が先生の監修の最後の書籍となってしまった。ライフサイエンス研究者の方々は、マウス、ラットをはじめ、メダカ、カイコ、ショウジョウバエ、シロイヌナズナ、酵母などをご自分の研究材料として何気なく手に入れ、研究成果を出しておられるが、これらの生物の遺伝的、微生物学的に品質の高い材料が安定的に供給されるようになったのはそんなに昔のことではない。