マヤ文明の起源につながる公共祭祀建築を発見: 茨城大などの多国籍チームが発掘調査 学説より約200年早かった

摘要

茨城大学人文学部の青山和夫教授と鳴門教育大学自然•生活系教育部の米延仁志准教授、アリゾナ大学の猪侯健教授、サン•カルロス大学の研究グループは、グアテマラ共和国にあるセイバル遺跡の大規模発掘調査を行い、マヤ文明最古の公共祭祀建築を発見したと発表した。石製の神殿ピラミツド(基壇の上に住居部を設けた構造物)の下から紀元前1000年に建設された土製の基壇(舞台)や遺物などを多数発見。それらの放射性炭素(MC)年代測定および詳細な編年により、従来の学説より200年ほど早く都巿文明を築き、地域間ネットワークに参加して知識や物資を取り入れていたことが明らかになった。研究は文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究「環太平洋の環境文明史」での一環として行われ、成果は「Science」誌4月26日号で発表された。