ネイチャー★ハイライト

摘要

数時間の時間スケールでの恒星の明るさの変化が、その恒星の表面重力に関連していることが、ケプラー宇宙望遠鏡からのデータ解析によって明らかになった。表面重力は、恒星の基本的特性の1つで、これまで正確な測定が難しかったが、今回の研究で得られた知見により、表面重力を簡単に求める方法が得られるかもしれない。可視光での明るさの変化の観測ができれば、25%超の精度で太陽類似星の表面重力を求めることができ、他の方法よりも精度が向上する。太陽類似星の明るさの変化は、数多くの要因によって駆動されている。そのうちの1つが粒状斑で、光球の内側で起こる熱対流の結果生じる。粒状斑は表面重力と相関しているので、粒状斑に起因する明るさの変化を観測することで、表面重力をある程度求めることができると考えられると、F.Bastienらが報告している。彼らは今回、8時間にわたる星の明滅パターンを明らかにした。このパターンを用いると、様々な進化段階にある太陽類似星の表面重力を測定できる。また、この測定結果を使うことで、ケプラー宇宙望遠鏡によって観測された大部分の恒星の進化を追跡でき、他の探索方法を補完できるかもしれない。(8月22日号)。