化学物質がミジンコの性をかく乱する仕組みを解明基生研の研究ダループ「受容体」を発見

摘要

ミジンコは、甲殻類(エビやカニの仲間)で、環境が良ければメスしか産まないが、水温低下や混雑など環境が悪くなるとオスを産む。しかし、ノミやダニなどの駆除剤に含まれている化学物質(幼若ホルモン類似物質)がミジンコに作用すると、環境と無関係にオスしか産まなくなってしまう。このミジンコの性をかく乱するメカニズムとなると、今までわかっていなかった。基礎生物学研究所分子環境生物学部門の宮川一志研究員、井口泰泉教授の研究ダループは、国立環境研究所、北海道大学、バーミンガム大学との共同研究により、ミジンコの仲間において化学物質を受け取る“受容体”を発見、細胞内で作用する具体的な仕組みを明らかにすることに成功した。