使い易い反応剤を多数開発

摘要

◊岡山大学大学院自然科学研究科教授、髙井和彦•工博「4-7族金属の特性を活かした有機合成反応の開拓」新規生理活性物質や新機能性材料の開発は合成法の進歩に支えられている。しかし、複雑な骨格や多数の官能基を有する化合物の合成には、有機リチウムゃGrignard化合物を用いる反応、あるいはWittig反応を適用できないことお多い。髙井教授は、そのような炭素一炭素結合形成を可能にする使いやすい反応剤を数多く開発した。とくに、4-7族金属のチタン、クロム、タンタル、マンガン、レニウムが持つ新しい反応性を独自の切り口から開拓し、合成反応の進歩に大きく貢献した。その業績は、天然物化学や材料科学等の分野にも大きな波及効果をもたらし、国内はもとより国際的にも高く評価されている。