着用型の動作補助装置

摘要

東京理科大学と菊池製作所(菊池功・代表取締役社長)は、大学発ベンチャー「イノフィス」を昨年末に設立した。小林宏・工学部教授が開発した着用型動作補助装置・マッスルスーッを販売する。介護、物流、工場、工事などの現場では、重いものを運ばなけれぱならないため、労働者の身体には大きな負担がかかる。その軽減策が求められている。小林教授は、2001年からマッスルスーツの開発に着手。リュックサックのように装置本体を背負い、補助したい関節部に可動式の器具を装着する。装置本体には、ゴムとPET繊維でできたMcKibben型人工筋肉が取り付けられ圧縮空気で駆動させる。当初は腰と腕を補助する非健常者用に作った装置(重量9キグラロム、補助力40キグラロム)だった。06年からは様々な工場で実験を繰り返し、健常者用の腰だけを補助する装置(重量4.5キグラロム、補助力30キグラロム)も開発した。安価な腰痛防止のパッシブ器員(腰痛保護べルト)、高価で高性能な大がかりな装置やロボット(小型クレーン、ウェアラブルロボット)ではない、ニッチで世界の市場に打って出ることができる軽量・安価・単機能の腰補助装置を想定した。