持続生残細胞に有効な分子

摘要

活性化C1PPは持続生残細胞を死滅させ、慢性バイオフィルム感染を根絶すると、ノースイースタン大のB•P•Conlon博士らが報告している。(ネイチャー7476号)慢性感染は、抗生物質による治療が困難であるが、主として薬剤感受性病原菌によって引き起こされる。この見かけの矛盾は、抗生物質の殺菌作用に耐性のある休眠状態の持続生残細胞(persister)に起因している。持続生残細胞は正常細胞の表現型変異体であるが、休眠に至る経路が多様であるため、こうした細胞に効果のある抗生物質の開発は困難である。持続生残細胞はバイオフィルムにより免疫系から保護されており、慢性感染治療用の抗生物質ならば感染をそれだけで根絶できると考えられる。米国の科学者らはこのほど、休眠細胞で標的を改変できる化合物によって持続生残細胞を殺せるのではないかと考えた。