有限長CNT分子の新たな幾何学的指標

摘要

東北大学大学院理学研究科の磯部寛之教授らの研究グループはこのほど、有限長カーボンナノチューブ(CNT)分子の新しい幾何学的指標を提案した。1992年に提唱されて以来、これまで広く受け入れられてきた幾何学的指標は、有限の長さと一義的な構造を持つ「分子性物質」としての指標を欠いていたが、有限長CNT分子が登場し始めたことで、新たな長さや原子·結合の充填率に関する指標の必要性が高まってきた。今回提唱された新幾何学的指標は、分子性物質としての有限長CNT分子に関する科学·技術の発展の基礎となることが期待される。