研究用原子炉の再稼働に期待

摘要

中性子はまだ一般にはなじみがないかちしれませんが、物質研究から素粒子物理、がん治療など広い分野で有用なものとなってきています。東海村にある大型陽子加速器施設J-PARCの中性子源も、昨年秋から順調に稼働しており、着実に成果をあげてきています。J-PARCでは、中性子散乱実験による生体分子、高分子、磁性物質、新材料、文化財など基礎から産業応用までの広範な分野での分子·原子レベルの構造や運動状態の解明が主として行われています。パーキンソン病発症につながる「病態」タンパク質分子の異常な運動状態の発見、将来の高性能電池開発につながる、イオン伝導する新物質の固体電解質の結晶構造の決定、実際に充放電しているリチクムイオン電池の内部で起こる不均一かつ非平衡状態で進行する材料の複雑な構造変化の解析など、色々な成果が出てきています。