世界最北の有人島で新種の菌類極地研が2種発見

摘要

国立極地研究所の辻雅晴特任研究員を中心とする研究グループは、世界最北の有人島として知られるカナダのエルズミア島における、氷河後退域での菌類の多様性調査の過程で、新種の菌類2種を発見し、それぞれヴイシュニアコザイマ·エルズミアエンシス、ムラキア·ホシノニスと名付けた。この2種は氷点下でも成長が可能であるだけでなく、生育にアミノ酸やビタミンを必要としないことから、氷河後退域のような低温で栄養素が限られた環境での生育に適応した種であることが示唆された。研究ダループによるエルズミア島からの菌類の新種報告は昨年に続き2年連続になる。国際的な微生物分類の専門誌International Journal of Systematic and Evolutionary flobslogyオンライン版に掲載された。今後、発見された菌類の特徴を活かした微生物資源としての活用が期待される。