マイクロ波放電式イオンエンジンによる「はやぶさ」小惑星探査機の深宇宙動力航行

摘要

宇宙技術開発において日米欧がしのぎを削る中，「深宇宙動力航行」分野にても各宇宙機関は切磋琢磨しながら果敢に挑戦してきた。日本にあっては50年間，数世代を紡ぎながら，世界とは一線を画する独自の電気ロケット技術の研究開発を行い，マイクロ波放電式イオンエンジンを完成させた。この新型高性能エンジンを駆る「はやぶさ」小惑星探査機は，7年をかけて地球～小惑星間往復60億km を走破し，地球帰還を果たした。そして新しい知識の視野をもたらした。