越境大気汚染をめぐる最近の国際的動向

摘要

アジア地域においては，酸性雨問題に対 する懸念に加え，1990年代からはエアロゾルによる悪影響が深刻化し，北東アジアにおける黄砂問題や東南アジァの森林火災によるヘイズ(煙霧）問題等が顕在化した。また，1990年代のインド亜大陸上空を覆う茶色い雲（brown clouds)の発見に端を発したABC (Atmospheric Brown Clouds)問題も顕在化し，光化学オキシダント（対流圏オゾン）問題も2000年代に入り一層深刻化している。