瑞宝小綬章を受章して

摘要

令和元年秋の叙勲に際し、はからずも瑞宝小綬章の栄に浴しました。新たな元号での最初の叙勲における受章をわけもなく嬉しく感じた次第です。去る12月12日に、ザ•プリンスパークタワー東京のコンペンションホールで経済産業省による勲章伝達式に臨み、その後皇居に参内して天皇陛下に拝謁いたしました。昭和49年に旧工業技術院の公害資源研究所に入所以降、光化学大気汚染、酸性雨、成層圏オゾン層の破壊などの大気環境問題を研究してきました。その内容は問題の発生機構の解明と対策技術の開発の二つに大別されますが、両者に共通する研究課題として原因物質、生成物質などの正確な濃度測定があります。日本工業標準調査会の臨時委員として、産業界と協力して大気ゃ排ガス中の窒素酸化物、二酸化硫黄などの濃度を測定する自動計測器等の日本産業規格(JIS)の制定•改正を行いました。また、2000年以降、研究所、産業環境管理協会のスタッフと協力して、これらの測定法を国際標準化機構（ISO)の大気の質技術委員会（TC146)の固定発生源分科委員会（SC 1)に新規作業項目として提案し、ワーキンググループ（WG)のコンビナーとしてISO規格を作成してまいりました。