土石流中の礫衝突を受ける砂防堰堤の動的応答解析

摘要

近年，集中豪雨の増加や台風の大型化に伴い，土石流も多発化する傾向がある。このような災害を防止軽減するには，砂防堰堤を配置することが一般的である。この土石流に対する砂防堰堤の設計荷重は土石流流体力と礫衝突力に分類され，現行設計指針では便宜的に等価な静的荷重として取り扱われてきた。特に，礫の衝突力に対しては，大きな力が極めて短時間に作用するので，本来動的解析を行うべきであるが，これまで実務の世界に持ち込むには煩雑で，土石流対策技術指針が検討され始めた当時は，電子計算機も今ほど進んではいなかった。