第12回 最新車両を支える技術要素を知る「蓄電池を使った車両(1)」

摘要

今回からは、鉄道車両においても駆動用電源として、最近積極的に活用が始まった「蓄電池」について、永久磁石と同様に基本的な項目からお話してゆこうと思います。さて、皆さhは蓄電池と聞いて思い浮かべるものはどのような電池でしょう。最近はスマートフォンやパソコンのバッテリーかもしれませhが、蓄電池で最も長い歴史があるのが「鉛蓄電池」で、今でも自動車の起動用電池として1台の自動車には必ず1台は搭載されています。鉄道車両でも、パンタグラフを上げ、補助電源の接触器を投入して、車両の電源を立ち上げたり、架線停電したときに予備灯を点灯させたり、放送するための電池は以前から搭載しており、これらは、鉛蓄電池または大容量の「ニカド電池」(一般的には「アルカリ蓄電池」と呼ばれる)が用いられてきました。いっぽう、1980年代以降、これらの電池とは比較にならないほどの大電流を短時間に出し入れでき、しかも同じ外形の電池にたくさhの電力を貯蔵することのできる高性能蓄電池が開発されました。